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ジャン・グリヴォ Jean Grivot

スタイルの変革、しなやかで官能的な世界

ジャン・グリヴォの一族はブルゴーニュでは長い歴史を持ち、その所有畑も多岐にわたっている。シャンボール・ミュジニーのコンブ・ドルヴォー(ヴォーヌ・ロマネとの境にあり、区画によってはミュジニーに隣接するプルミエクリュだが、ジャン・グリヴォの区画は村名格)、そしてニュイ・サン・ジョルジュやヴォーヌ・ロマネの数々のプルミエクリュ、グラン・クリュはエシェゾーに今や高嶺の花となったリシュブールまで揃っている。

日本におけるジャン・グリヴォのワインは、特に、一定のキャリアを持つブルゴーニュ愛好家にとって必ずしも評価が高くない。それは察するところ、ひところの「濃いワイン」に由来すると思われる。

1987年から1992年の間は醸造コンサルタントであるギィ・アッカが関わり、特徴的に「濃厚な」ワインが造られていた。それは確かに若い頃はテロワールの特徴を覆い隠すほどの強烈さではあった。しかし先日、30年ほど熟成させ抜栓したクロ・ド・ヴージョ1988は厚いヴェールはがれある種の官能を感じた。

2004年頃を境に、ジャン・グリヴォは造りのスタイルが大きく変わった。一時期の濃厚さは影を潜め、しなやかなスタイルに変化したのだ。さらに2006~2007年頃になってくると、もともとのテロワールに由来する大地の力強さに加え、リシュブール、エシェゾーといったグラン・クリュを中心に、飲み手の心を奪うような官能的な個性を感じさせるようになった。華奢にすぎることがなく、筋肉質というか線が通ったうえに、くらくらする色っぽさがある。フラメンコの踊り手のような。私はそんなジャン・グリヴォが好きになってしまった。
 

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