シモン・ビーズ　Simon Bize et Fils

日本でも人気が高まっている生産者

サヴィニー・レ・ボーヌという、これまで日本のブルゴーニュ愛好家の間ではマイナーな扱いを受けていた村だが、本当の愛好家はこの生産地の魅力に気づいていた。最近、注目度が上がっているなか、シモン・ビーズはその中心的存在だと言えるだろう。

畑ごとにまったく異なるワインができるのが、特に面白い。ワインなので当然、どの村でも畑によって違うワインができるというばそれまでだ。しかし、特に顕著な差が見えるのがサヴィニー・レ・ボーヌ、そしてシモン・ビーズだと思う。飲み比べが楽しいのだ。

不慮の事故でこの世を去った当主パトリック氏の跡を、日本人マダムのビーズ・千砂さんは立派に引き継いでいる。手頃な価格なのに素晴らしいワインが揃う。そして、2001や2004など評論家が言うところのいわゆるオフ・ヴィンテージと呼ばれる年でも安定した品質のワインを作ってきたのはその家族の力、仲間たちの力だろう。わたしはファンのひとりとしてパトリック氏の時代の銘品を扱ってきたが、新時代のシモン・ビーズも注目していきたいと思っている。